韓国軍戦闘機が竹島周辺でロシア軍機に警告射撃
2019年7月23日、韓国軍合同参謀本部はロシア軍機が「領空侵犯」したとして、韓国が実効支配する竹島周辺で韓国軍戦闘機が警告射撃を行ったと発表した。また中国軍機も同日、韓国の防空識別圏内に進入と言及した1。
関連事象
7月22日、ボルトン米安全保障補佐官が訪日し、河野太郎外相や岩屋毅防衛相らと相次いで会談。ホルムズ海峡における有志連合構想や韓国への半導体関連材料の輸出管理見直し等について意見交換したと伝えられた2。また同補佐官は翌23日に訪韓を予定。
2月24日、統合幕僚監部は中国軍Y9情報収集機1機が韓国と日本の防空識別圏に進入したと発表した3。同日、韓国軍合同参謀本部は中国軍機が竹島と鬱陵島の間を通過し、韓国軍は戦闘機を緊急発進させ追跡や警告を実施したと発表した。また、中国軍機が両島上空を飛行するのは初めてと言及した。
2018年9月、ロシアが実施した戦略演習「ボストーク2018」に中国軍が参加するなど、軍事安全保障分野において中ロ関係は緊密化している4。
1969年、日本の防衛庁が設定した防空識別圏に竹島は含まれていない5。
分析
今次、中ロ両国軍の行動は日米韓の安全保障協力体制に楔を打ち込むことを目的とする行動の一環と推測される。このため、米安全保障補佐官の訪日、訪韓の時期に合わせて、3国にとって最も協力が困難である竹島において中ロの協力を誇示し、3国間の安全保障協力にかかる協議の阻害を狙ったものと考えられる。
同地周辺での行動は2月の時点では中国が単独で行っていたとみられることから、今次行動については中国がロシアに呼びかける形で行われた可能性がやや大きい。