ロシア航空宇宙軍が日本海で中国空軍と合同パトロール実施と発表

基礎資料

ロシア国防省「韓国は独自に防空識別圏を設定」「韓国軍戦闘機が日本海の公海上で遠距離航空隊の活動を妨害しようとしたのは初めてのことではない」

2019年7月23日、TV zvezda1

韓国が独自のいわゆる防空識別圏を引き合いにして、韓国軍戦闘機が日本海の公海上で遠距離航空隊の活動を妨害しようと試みたのは初めてのことではない。この件について、ロシア航空宇宙軍司令官セルゲイ・コブィラシ中将が発言した。

「防空識別圏は国際法によって規定されたものではない。したがって、ロシア連邦はこれを認めていない。この件については様々なチャンネルを通じて韓国側に何度も伝えてきた」とコブィラシは指摘した。

同氏はまた、韓国軍戦闘機によって警告射撃が行われたとされる情報は事実に即していないと指摘した。

「仮にロシア軍航空隊がそのような脅威を認知したならば、ただちに適切な対処がとられただろう」とコブィラシは発言した。

同氏によれば、今朝、ロシア航空宇宙軍遠距離航空隊はアジア太平洋地域の空域において中国空軍との合同パトロールを初めて実施した。この措置は2019年ロシア連邦国際軍事協力計画によるものであり、第3国に対して向けられたものではない。

ロシアのTu-95MS戦略ミサイル搭載機2機及び中国のXian H-6K戦略爆撃機2機からなる航空グループは、日本海および東シナ海の公海上で事前に計画された経路沿いの飛行を行った。戦闘機航空隊および早期警戒管制機A-50及び「空警2000」は、戦略爆撃機の活動を支援した」と司令官は指摘した。

※ロシア国防省が発表した動画のキャプチャ画像2

同氏は、ロシアと中国の航空隊が日本海海域に設定された線上で、統一の規則に基づき再編成を行ったと強調した。同規則では、航空機2機の編隊は相互に3から4kmの距離を維持することとされている。この際、航空隊の乗組員たちは高度の飛行練度、技量、連携を示すことができた。

飛行は高度7,500から8,500メートルで行われた。ロシア戦略ミサイル搭載機の飛行時間は11時間であり、航続距離は約9,000キロメートルであった。

「任務遂行の間、航空グループは11回にわたり外国の戦闘機によって随伴された。韓国軍航空機の行動はプロフェッショナルなものではなかった。係争中の島がある領域で彼らは危険な機動を行い、航空グループの進路を遮り、飛行のセキュリティに脅威を与えた。その後、韓国軍F-16はフレアを放出して自国領海方向へ引き上げた」

司令官によれば、仮にロシアおよび中国の航空機が韓国領海に近づいたのだとしたら、一般的な規則に従い、韓国軍機は国際周波数帯でロシア軍機に無線通信で呼びかけるべきであり、また規定された飛行機動および信号によって、領空侵犯の可能性を警告すべきである。

「ロシア軍乗組員たちは所定の飛行規則を遵守した。客観的な管制データによれば、韓国及び日本に対する領空侵犯は発生していない。航空グループの1機が係争中の島に最も接近した際の距離は25km以上だった」とコブィラシは発言した。

コブィラシによれば、韓国軍の行動は空域における暴挙として判断されるべきものだ。

今回の韓国軍機による非合法で危険な行動については、韓国駐在武官に対し相応の警告がなされた。現在、合同パトロールに参加したロシア航空宇宙軍の航空機は首尾よく任務を終え、母基地とする飛行場に着陸した。


【参考資料】日本の統合幕僚監部が発表した領空侵犯の概要3


  1. Aleksandr Peshkov, “MO RF: Yuzhnaya Koreya samoproizvol’no opoznavaniya PVO,” TV zvezda, July 23, 2019, tvzvezda.ru/news/vstrane_i_mire/content/2019723184-md1TH.html.
  2. 誤記と思われるが、竹島の表記が「トクト島(トケマシ)」となっている。(※訳者注)
  3. 統合幕僚監部「中国機及びロシア機の東シナ海及び日本海における飛行について」報道発表資料、2019年7月23日、www.mod.go.jp/js/Press/press2019/press_pdf/p20190723_01.pdf。