太平洋艦隊配備予定の巡航ミサイル「カリブル」搭載艦

基礎資料

2019年7月時点で1隻もないとされる太平洋艦隊の巡航ミサイル「カリブル」搭載艦の今後の配備予定についてまとめたもの

種類 NATO名 名称 カリブル搭載数備考
プロジェクト20385
グレミャシチー型コルベット
ステレグシチー級フリゲートグレミャシチー 82019年9月頃サンクトペテルブルクから回航予定
プロジェクト20385
グレミャシチー型コルベット
ステレグシチー級フリゲートプロボルヌイ8サンクトペテルブルクで建造中
プロジェクト949A
アンテイ型巡航ミサイル原子力潜水艦
オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦K-186オムスク722019年6月改修完了
カリブル搭載失敗説あり
プロジェクト949A
アンテイ型巡航ミサイル原子力潜水艦
オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦K-132イルクツク 72ウラジオストクで改修中
プロジェクト949A
アンテイ型巡航ミサイル原子力潜水艦
オスカーII級巡航ミサイル原子力潜水艦K-442チェリャビンスク72ウラジオストクで改修中
プロジェクト22800
カラクルト型小型ミサイル艦
ウドムリャ82019年7月起工
コムソモリスク・ナ・アムーレで建造中
2026年頃完成予定
プロジェクト22800
カラクルト型小型ミサイル艦
ルジエフ82019年7月起工
コムソモリスク・ナ・アムーレで建造中
2026年頃完成予定
プロジェクト22800
カラクルト型小型ミサイル艦
パブロフスク82019年コムソモリスク・ナ・アムーレで起工予定
プロジェクト22800
カラクルト型小型ミサイル艦
ウスリースク82019年コムソモリスク・ナ・アムーレで起工予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦B-274ペトロパブロフスク・カムチャツキー42019年3月サンクトペテルブルクで進水
2021年回航予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦B-603ボルホフ42017年7月サンクトペテルブルクで起工
2020年11月完成予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦マガダン42019年サンクトペテルブルクで起工予定
2020年完成予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦ウファ42019年サンクトペテルブルクで起工予定
2021年完成予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦モジャイスク42021年完成予定
プロジェクト636.3
ワルシャビャンカ型ディーゼル・エレクトリック潜水艦
キロ級改潜水艦不明42022年完成予定

アジア太平洋地域における「戦略抑止」「非核抑止」の一環と見られるロシア軍の態勢強化の動きとして注目される。

ロシアは太平洋艦隊のカリブル配備を急いでいる様子が伺え、米中関係の緊迫化に伴いロシアの脅威認識の重心が欧州方面からアジア太平洋方面へと移りつつある可能性を示唆している。

グレミャシチーは当初北方艦隊に配備予定であったが、急遽配備先を太平洋艦隊へ変更しており、この変更はオムスクへのカリブル搭載の目途が立たなかったことへの補填の意味合いもあったと推測される。

また、カラクルト型小型ミサイル艦の建造速度が極端に遅い(7年)ことから、欧州方面に比し極東方面でのロシアの造船能力が大きく劣ることが伺える。


Sergej Ishchenko, “Tikhookeanskomu flotu Kreml’ narashschivaet «Kalibry» vne vsyakoj ocheredi,” Svobodnaya Pressa, July 2, 2019, svpressa.ru/war21/article/236971/; RussianShips.info, updated June 25, 2019, russianships.info.

2019年7月9日